【サンパウロ綾村悟】米国防総省は20日、米軍がカリブ海国際水域で、麻薬を積載していたとされる小型船舶を攻撃し、乗員３人が死亡したと発表した。攻撃は空爆の形で19、20日に実行。トランプ米大統領は同日、自身のＳＮＳを通じて「米国民を守るために必要な措置」と声明を発表、米国に流入する麻薬阻止への強い姿勢を示した。
米軍がカリブ海やベネズエラ沖で麻薬密輸船を攻撃したのは、これで３回目。今月２日に11人、15日に３人が死亡している。
一方、ベネズエラ外務省は20日、米軍の攻撃を「主権侵害」と非難、国連に調査を要請する姿勢を明らかにした。
現在、米南方軍は麻薬の取り締まりに、南カリブ海に揚陸艦や原子力潜水艦など、多数の艦艇と４０００人以上の海兵隊を派遣している。対するベネズエラも国境付近に多数の兵士を配置、即応力を高めつつ、ベネズエラ沖では大規模演習も行っている。同国のマドゥロ大統領は、米軍の展開や攻撃を「宣言なき戦争だ」と厳しく非難している。
