【サンパウロ綾村悟】ブラジルのボルソナロ前大統領が17日、体調不良を訴えて入院していた首都ブラジリアの病院から退院し、市内の自宅に戻った。ボルソナロ氏は16日に嘔吐や呼吸困難などに襲われ緊急搬送されていた。
同氏は2018年、大統領選挙の遊説中に暴漢に襲われて腹部を刺されて重傷を負った。その後、幾度も手術するなど後遺症に悩まされている。
14日にも皮膚疾患の手術を受けていたが、除去した皮膚組織を病理検査した結果、一部から早期の扁平上皮がんが発見された(病院発表)。現時点では湿潤や転移などは認められないという。
ボルソナロ氏は現在、22年の大統領選敗北後に起きたクーデター未遂事件に関与したとして、最高裁から懲役27年3カ月の実刑判決を受け、自宅軟禁下にある。健康状態の悪化は刑務所収監の可否に影響する可能性があり、控訴審も含めて今後の動向が注目される。





