【サンパウロ綾村悟】ブラジル最高裁で行われているボルソナロ前大統領に対するクーデター未遂への罪などを問う裁判で、フックス判事は10日、五つの容疑すべてに対して無罪の判断を下した。裁判は最高裁判事5人による合議制のため、判決は11日に持ち越された。
フックス判事は「前大統領がクーデター計画などを指導し企てに参加したことを立証する証拠はない」とし、起訴内容は推測に頼り過ぎていると主張した。
フックス判事は憲法学の専門家。人権問題などで進歩的な判断を下すことがある一方、政治や世論に流されないことで司法界の信頼を受けている。
これまでにモラエス判事ら2人が有罪判決を下しており、11日に予定される残る2人の判事の判断が有罪・無罪の分かれ目となる。
一方、フックス判事がすべての起訴内容を退けた意義は大きく、司法の独立性と多様な見解を社会に示す形となった。ボルソナロ氏に有罪判決が下った場合でも、弁護団に控訴審で利用できる大きな論点を与えており、今後の裁判への影響が注目される。





