【サンパウロ綾村悟】ブラジルの労働裁判所は28日、フェイスブックやインスタグラムを運営するメタ社に対して、司法の承認なく児童の芸術的労働を利用して制作されたコンテンツの受け入れを禁止するように求める仮処分を命じた。
具体的には、司法の許可がない18歳以下の子供を「子役」や「歌手」「インフルエンサー」などに利用したコンテンツをメタ社のSNSに載せてはいけないというもの。労働裁判所は、これらの行為を教育などの機会を奪いかねない「芸術的労働」だと判断している。
一方、親が子供と遊んでいる様子など、非商用の記念撮影などは対象外とされており、規制はあくまでも「商用目的」や「定期的な出演」を行った場合に限られている。
ブラジル以外では、フランスで「ユーチューブキッズ法」が2020年に制定され、子役の報酬を専用口座に積み立てる義務や、16歳未満の子供がSNSに出演する場合には行政の許可を取ることが求められている。
また、子供ユーチューバーが社会現象となった韓国でも、学習権などを侵害しかねない活動を制限する動きがある。
一方、日本ではキッズユーチューバーを規制する法案の整備が進んでおらず、フランスのような積立義務もない。明らかな芸術的労働に相当するような「子役」のSNS出演に関しても親の裁量にまかされているのが現状だ。





