【サンパウロ綾村悟】ブラジルのルラ大統領は8日、開発に伴う環境に関する許認可を合理・短期化する「環境法改正案」に署名した。ただし、環境保護団体などから厳しく批判されている63の項目を拒否した。法案は、ルラ大統領の拒否内容を盛り込んだ上で、再度国会にかけられる。
今回の法改正は、環境保護を目的とした開発の認可基準、プロセスの合理化が目的だった。だが、マリナ・シルバ環境・気候変動相や環境派の議員ら、300を超える環境保護団体、先住民団体が法案を「破壊法案」「死の一撃」などと批判していた。
反対派は環境法改正案により、アマゾン熱帯雨林が乱開発され、海底油田開発によってサンゴ礁は破壊、先住民の人権侵害につながると批判していた。
ブラジルは、今年11月に北部の都市、ベレンで開催されるCOP30(国連気候変動枠組み条約締約国会議)のホスト国を務める。ルラ大統領はアマゾン熱帯雨林の保護など、自然保護を政権公約の一つに掲げており、COP30は環境政策で、国際的な注目を集める絶好の機会だ。
一方で、ルラ氏は社会保障の財源、また経済成長に向け、海底油田をはじめとする資源開発にも前向きだ。環境法改正案が、環境破壊やアマゾン熱帯雨林に住む先住民の権利侵害につながるとの批判も出ている中、ルラ氏は環境保護と開発の調和を図る必要に迫られている。






