トップ国際中南米最高裁判事の判断に懸念 「表現の自由」侵害ーボルソナロ前大統領公判ーブラジル  

最高裁判事の判断に懸念 「表現の自由」侵害ーボルソナロ前大統領公判ーブラジル  

【サンパウロ綾村悟】クーデター未遂関与などの疑いで公判中のボルソナロ前大統領が、SNS利用禁止命令に背いたとして自宅軟禁を命じられた件で、ブラジルの各方面から懸念の声があがっている。

ブラジル大手紙のフォーリャは5日、民主主義下で言論の自由は保証されるべきで、携帯電話没収を含む自宅軟禁を命じたモラエス最高裁判事は、表現の自由を侵害したと批判した。

リオデジャネイロ連邦大学のサンパイオ憲法学教授も同日、自宅軟禁令はボルソナロ氏の支持者を刺激し、むしろ団結を促すことになっているとした。

最高裁内部からも「モラエス判事の判断は行き過ぎ」などの異論があり、軟禁令の再検討や取り下げも視野に入っている。

ボルソナロ氏が所属する自由党(PL)などの議員は、軟禁令を「越権行為」と批判、モラエス氏への弾劾請求を上院に提出した。

米国は国務省名で「ボルソナロに発言させよ」と抗議、ソーシャルメディアのX(旧ツイッター)では、このフレーズがトレンド入りしている。

モラエス氏の判断は司法内部、また内政・外交を含む政治の各方面に波紋を広げ、ブラジル国内では「表現の自由」と「司法の越権行為と政治利用」を巡って議論が過熱している。

ブラジルは1985年、激しい弾圧を行った軍政から民主主義に変わったが、その歴史は40年と若い。それでもこの度のモラエス氏の判断に対して、憲法学者が公に懸念を表明、メディアが司法を監視、最高裁内部でも異論が許容されるなど、国民議論も含め、民主主義の自浄作用が機能する様子も垣間見える。

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