
【サンパウロ綾村悟】ブラジル最高裁は5日、クーデター未遂関与などの疑いで公判中のボルソナロ前大統領に、SNS利用禁止命令に違反したとして自宅軟禁を命じた。
ボルソナロ氏は最高裁から、第三者経由の発信を含むSNS利用、また夜間外出の禁止が命じられていた。だが、リオデジャネイロで3日に開催された支援集会で、ボルソナロ氏が息子フラビオ氏と携帯電話で会話をする様子がSNSで拡散、最高裁モラエス判事から命令違反かつ最高裁(司法)を攻撃する行為として批判され、自宅軟禁令に至った。
ボルソナロ氏は、第三者を含む自宅内での携帯電話もすべて没収され、訪問者制限も課された。違反すれば「予防拘禁」に処されることになるという。
同氏は、2022年の大統領選でルラ大統領に敗れたが、側近らがルラ政権の誕生を阻もうと企てたクーデーター未遂に関与した罪に問われている。年内にも判決が下り、最長40年の実刑判決の可能性もある。
一方、ボルソナロ氏と家族ぐるみの付き合いがあるトランプ米大統領は、この裁判を「政治的な魔女狩り」と批判、ブラジルに最大50%の関税を課すと同時に、モラエス判事に対して資産凍結や米国ビザ剥奪などの制裁を課している。
米国務省は5日、X(旧ツイッター)でブラジル最高裁を非難する声明を発表、「司法権による言論の抑圧は民主主義に反する。ボルソナロ氏の弁明の機会を奪わず、発言させよ」と指摘した。
今回の命令を含む最高裁の対応について、ブラジル国内の保守派メディアは「言論弾圧」「司法による政治攻撃」などと批判、「推定無罪」の原則が守られていないとの懸念も上がっている。






