【サンパウロ綾村悟】ブラジルのルラ大統領は9日、トランプ米大統領がブラジルからの輸入品に対し50%の関税を課すと表明したことに対し、「相互主義で対応する」と述べ、報復関税を検討する考えを示した。
トランプ氏は、7日から日本など各国に相互関税率を通告する書簡を送っているが、ブラジルへの50%はこれまでの最高税率。トランプ氏の書簡公開を受けて、ブラジル通貨は2%以上下落、輸出関連株も軒並み値下がりした。
ブラジルは対米貿易で赤字ということもあり、今年4月の時点でトランプ政権が求めてきた税率は10%にすぎなかった。今回の書簡は、ブラジル政府にとって晴天の霹靂(へきれき)だ。
トランプ氏は、書簡の後半で「関税50%は積み重なってきた関税等の不均衡への対処」と説明するが、高関税の背景にはルラ政権とブラジル司法への積み上がった不信がある。
モラエス最高裁長官はボルソナロ前ブラジル大統領の仇敵(きゅうてき)で、イーロン・マスク氏が所有するX(旧ツイッター)などのSNSに対しても、ボルソナロ氏の支持者らが「偽ニュース」を流していると主張し、アカウント凍結などを求めてきた。モラエス氏は、最終的にXに対して多額の罰金やサイトの停止などを命じている。
書簡の内容と関税通告を受けて、ルラ大統領は緊急閣僚会議を開催した。会議後、ルラ氏は「(最高裁など)独立した国家機関に対するいかなる干渉や脅迫も受けない」「表現の自由は暴力と混同すべきではない」などと批判した。






