トップ国際中南米首都の9割、ギャングが支配  国の統制崩壊の恐れ―ハイチ

首都の9割、ギャングが支配  国の統制崩壊の恐れ―ハイチ

【サンパウロ綾村悟】国連の特別報告官は2日、カリブ海諸国ハイチの情勢を安全保障理事会に報告し、武装ギャングが首都ポルトープランスの9割を支配下に置いており、完全崩壊が現実のものとなりつつあると警告した。

報告官は「ギャングによる暴力と支配はハイチのあらゆる場所に及びつつあり、国際社会が迅速な対応を取らない場合、首都における国家プレゼンスの完全崩壊という最悪の事態を招くことになる」と強調した。

西半球の最貧国ハイチでは、2021年の大統領暗殺事件以降、混乱が続いており、政治的空白にギャング組織の暴力による支配が入り込む形となっている。

国連ハイチ統合事務所によると、今年に入ってからの殺人は、昨年同期比で24%増の約4000人に達している。また、総人口の11%に当たる130万人が首都での暴力から逃れるために疎開生活を強いられているという。

主要都市とその郊外に設置された疎開シェルターが昨年比で70%増加する中で、多くの人々が医療や学校、汚染されていない飲用水などへのアクセスに困難を抱えている。

ハイチには現在、ケニアが主導する多国籍部隊1000人が駐屯している(本来の計画は2500人の派遣)が、資金と人材が不足しており、国連関係者は国際社会による早急な行動と支援を要請している。

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