【サンパウロ綾村悟】ブラジル最大の都市サンパウロで29日、クーデターの企てなどで起訴された保守派・ボルソナロ前大統領を支持する集会が開かれ、1万2千人が集まった。
ボルソナロ被告は、2022年10月の大統領選でルラ大統領との決選投票に敗れた後、ルラ氏やモラエス最高裁判事の暗殺計画などを主導したと疑われ現在、最高裁で裁かれている。年内に結審するとされ、禁錮40年以上の実刑判決の可能性もある。
ボルソナロ氏は、裁判について「政治的迫害」だとして無実を訴えてきた。29日の集会でも一連の捜査や裁判を、自身を政治的に排除する目的だと批判、支持者らとともに「ただちに正義を」と気勢を上げた。
集会には、次期大統領選の有力候補でもある、サンパウロ州知事のタルシジオ氏や、キリスト教福音派の著名牧師なども応援に駆け付け、最高裁が反保守に利用されているなどと訴えた。
集会に先立つ27日に公開された直近の世論調査では、次期大統領選で保守派の各有力候補とルラ大統領が決選投票に進んだ場合、ルラ氏劣勢となっている。特に、ミシェル前大統領夫人が出馬した場合、ルラ氏に10ポイント以上の大差をつけて勝利するという結果が出た。
ボルソナロ氏自身は、在任時の権力乱用罪などで2030年までの立候補資格を剥奪されている。





