労働者が勤務中に背もたれ付きのいすに座る権利を保障する新しい労働法、通称「いすの権利法」がこのほど、メキシコで施行された。業務のない時間に座ることができる環境の整備が、すべての雇用主に義務付けられる。
人間工学を基に、長時間の立ち仕事による健康被害を防止する目的で導入された。
この新法により、小売業、ホテル、警備、レストラン、接客などの立ち仕事が多い業種の企業に、従業員が適切ないすを使用できるようにすることが義務付けられた。
明確な休憩時間は定められていないが、専門家は「1時間に少なくとも5分の休憩(座る時間)」を推奨している。
違反した場合、罰金が科される可能性があり、重大な違反や再犯が認められた場合には、事業の一時停止命令が出される可能性もある。
専門家によれば、長時間の立ち仕事で、静脈瘤(りゅう)、慢性疲労、腰痛、筋骨格系の障害などのリスクが高まる。今回の改革は、こうしたリスクを軽減し、より人間らしい労働環境を整備するための重要な一歩とされている。(ハンソニ・オヘダ)





