【サンパウロ綾村悟】南米アルゼンチンの裁判所は17日、汚職罪で禁錮6年の有罪判決を受けたクリスティナ・フェルナンデス元大統領(72)に対して、高齢などを理由に自宅軟禁を認める決定を下した。
アルゼンチン最高裁は今月10日、フェルナンデス氏が在任中、公共工事を巡り犯した公金横領について、下級審による禁錮6年と公職永久追放の有罪判決を支持、判決が確定していた。
フェルナンデス氏の弁護団は、高齢や収監された場合の身の安全などを訴えて自宅での服役を求めていた。
フェルナンデス氏は2007年から15年、左派政権を率いた。親中派としても知られ在任中、政経両面で中国と緊密な関係を築いた。左派・正義党の重鎮でもあり、前政権でも副大統領として政界に強い影響力を与えた。
右派のミレイ大統領は、有罪判決について「正義が示された」として支持を表明した。フェルナンデス氏の汚職への有罪判決と服役は、少数与党を率いるミレイ氏にとっても改革推進の後押しとなりそうだ。