【サンパウロ綾村悟】米トランプ大統領が3日、鉄鋼とアルミニウムの輸入関税を、従来の25%から50%へ倍増させる大統領令に署名した。これを受け、メキシコのエブラルド経済相は「不公平で非効率、かつ持続可能性がない」と批判、「メキシコを関税リストから外すよう交渉する」と言明した。米国の新関税は4日、発効した。
エブラルド氏は6日、米政府関係者と協議し、メキシコに対して従来の25%を維持するよう求める方針。鉄鋼に関して米国とメキシコ間では年間、輸出と輸入の差額で米国が240万トンの輸出超過。この状況で「輸入関税を増やすのは理にかなっていない」と主張する。
メキシコからの輸出は、約8割が米国向けであり、米国の輸入関税の引き上げは、メキシコの経済成長などに大きく影響を与えかねない。
メキシコでは、中銀が先月28日、国内経済の低迷や米国の貿易・関税政策の不透明さなどから、今年の経済成長率見通しを0・6%から0・1%に引き下げたばかりだった。