【サンパウロ綾村悟】ブラジルの世論調査会社クアエスト社が5日、来年10月に予定されている大統領選挙の最新世論調査を発表し、保守派各候補の支持率がルラ大統領と拮抗(きっこう)していることが分かった。ルラ氏は再選(4選目)を目指すべきではないとする有権者が増えていることも明らかになった。
世論調査では、上位2候補が決選投票に進んだ場合のルラ氏と保守派各候補の支持率を調べたところ、ルラ氏とボルソナロ前大統領が41%で同率だった。3月の前回調査では、ルラ氏が4ポイントリードしていた。
また、ルラ氏とタルシジオ・サンパウロ州知事では、ルラ氏の41%に対してタルシジオ氏は40%と拮抗し、タルシジオ氏の支持率も前回調査から3%近く上昇した。
さらに、ルラ氏とミッシェル・ボルソナロ前大統領夫人との対決では、ルラ氏の43%に対してミッシェル氏は39%と前回調査から2ポイント差が縮まった。すべての保守主要候補者が、ルラ氏を追い上げていることが明らかになっている。
一方、ルラ氏の再選挑戦の是非を問う設問では、66%が「再選を目指すべきではない」と答え、前回調査から4ポイント上昇した。ボルソナロ前大統領に関しては、65%が「出馬すべきではない」と答えている。
ルラ氏は来年80歳を迎えることもあり、高齢出馬への疑問や経済手腕への批判が出ている。ボルソナロ氏は、在任中の権力濫用などを問われ、2030年までの被選挙権を禁止されている。