【サンパウロ綾村悟】ブラジル保健省は29日、2024年の成人喫煙率が11・6%となり、07年以来17年ぶりに上昇したと発表した。
保健省関係者は、特に若者の間で喫煙率が上昇しており、喫煙による健康等への悪影響を防ぐためにも、緊急に何らかの対応を行う必要があると指摘している。
また、喫煙率の上昇は、電子たばこではなく通常の紙たばこが引き起こしていることにも警戒しているという。
保健省は、喫煙の害などを訴える広告の強化などを視野に入れている。ブラジル国内で販売されるたばこには、パッケージに喫煙による健康被害などを訴える写真と情報の記載が義務化されている。
一方、ブラジルは09年より電子たばこ(加熱式たばこ)の輸入や販売を全面禁止しており、ブラジル国内での電子たばこの利用率は2・6%と先進諸国に比べて非常に低い。
世界保健機関(WHO)は、喫煙を発がん評価分類でグループ1(発がん性に十分な証拠がある)に分類、他にも循環器や呼吸器疾患を引き起こすリスクを高めると警告している。
厚生労働省によると、日本の成人喫煙率は15・7%。そのうちの36%が電子たばこの利用者だという。