トップ国際中南米外国人旅行者に医療保険義務化へ、移民規制を強化 アルゼンチン

外国人旅行者に医療保険義務化へ、移民規制を強化 アルゼンチン

【サンパウロ綾村悟】アルゼンチン大統領府は14日、移民規制を強化する政策を発表した。近日中に政令として発効される予定。

政策の中には、アルゼンチンに滞在する外国人に加え、外国人観光客にも医療保険加入の義務化を求める内容がある。

アルゼンチンではこれまで、公共医療が国民や外国人にかかわらず無料で受けることができたが、制度を悪用するように同国に滞在して医療を受ける外国人が多く、医療費の増大につながると問題視されていた。

大統領府は「アルゼンチンはすべての人々に開かれた国ではあるべきだが、公共サービスは税を納める人々がその恩恵を受けるべきだ」と強調した。政府によると、昨年1年間だけで1140億ペソ(約150億円)の医療費が外国人の治療に費やされたという。

チェコやポーランドなど欧州連合(EU)各国では、旅行者への医療保険加入を義務化している国も多い。外国人観光客の増加とそれに伴う公共サービスの在り方が問われている日本においても、アルゼンチンの新たな政策は議論を呼びそうだ。

一方、アルゼンチンが導入する移民政策には、有罪判決を受けた外国人の国外追放や犯罪歴のある外国人の入国拒否なども盛り込まれている。

アルゼンチンは、歴史的に移民国家として知られ、欧州や南米各国から多くの移民を受け入れてきたが、トランプ米政権や一部の欧州諸国と同様に移民規制に舵(かじ)を切ったことになる。

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