トップ国際中南米ムヒカ・元大統領死去 ウルグアイ 物欲戒め、自ら清貧に生き

ムヒカ・元大統領死去 ウルグアイ 物欲戒め、自ら清貧に生き

ムヒカ元大統領(AFP時事)

【サンパウロ綾村悟】「世界一貧しい大統領」と呼ばれた南米ウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領が13日、死去した。89歳だった。ウルグアイの首都モンテビデオ郊外の自宅で亡くなった。

ムヒカ氏は、2010年から15年まで中道左派政権を率いた。在任中は大統領公邸に住まず、在職時の給与のほとんどを寄付して自宅で生活、「世界一貧しい大統領」として知られた。

貧困家庭の出身として知られ、1960、70年代にはキューバ革命に触発された極左ゲリラ活動に関わり、軍政時代(73~85年)には投獄生活を経験した。

2012年、国連が開催した国際会議の場で「貧乏な人とは少ししか持たない人ではなく、無限の欲があり満足しない人だ」と言明、物欲を戒める姿勢に多くの人々から称賛を集めた。

一方、自身の政権下では人工妊娠中絶や同性婚、嗜好(しこう)品としての大麻を世界で初めて合法化するなど、国内の保守派とは政策面でしばしば対立した。

昨年4月に食道がんを公表、闘病を宣言していたが、がんの転移が進んでいた。

ムヒカ氏の死去に伴い、ウルグアイのオルシ大統領は「あなたが与えてくれた国民への深い愛情に感謝する」との声明を発表、14日から3日間の服喪期間を設けた。

また、ブラジルのルラ大統領やメキシコのシェインバウム大統領など、多くの首脳が追悼の意を表している。

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