【サンパウロ綾村悟】南米ペルーの各メディアは4日、ペルー北部パタス県の金鉱山内で、数日前に犯罪組織らによって誘拐された鉱山労働者13人の遺体発見を報じた。
労働者らは鉱山会社ポデローサ社が、首都リマから北に900㌔ほどの金鉱山に、違法採掘問題を解決するため派遣していた。しかし、金鉱山を支配下に置こうとする犯罪組織により拉致されていた。
犯罪組織は、13人の労働者を鉱山内に監禁した上で、脅迫メッセージなどを送りつけていた。
ペルーは鉱物資源が豊富で、金は銅などと並ぶ主要輸出産品の一つ。金の産出量は年間90㌧でインドネシアと並ぶ世界10位(21年調査)だ。
一方、多くの鉱山は違法に開発・運営され、特に金鉱山は犯罪組織による利権の標的となってきた。
ポデローサ社によると、パタス県では数年前から違法採掘に関与する業者や犯罪組織の活動が活発化し、従業員の安全確保のため採掘断念のケースも少なくないという。
ペルーのスルエタ内相は5日、13人の労働者を犯罪組織が殺害したことを厳しく非難、関与した犯人らへの厳しい処罰を約束した。