【サンパウロ綾村悟】ブラジル開発・商工貿易省(MDIC)は、中国の輸出製品がトランプ関税の影響から、行き場を失ってブラジルに大量に押し寄せる懸念に対応するため、国内商工界を守る緊急防護システムの導入を検討していることが分かった。ブラジルのフォーリャ紙(電子版)が28日に報じた。
同紙によると、ブラジル政府は昨年来、中国からの輸入品増への対応を検討していたが、トランプ米大統領が4月早々、世界各国に向けた関税プランを発表したことを受け、システム導入の検討が加速したという。
導入に時間がかかる、従来の反ダンピング(不当廉売)措置だけでは、米国市場を失い、ブラジル市場に大量流入する中国製品が与える業界被害に即応が困難と見ている。