【サンパウロ綾村悟】南米エクアドル北西部バレンシアにある闘鶏場で17日、武装集団が銃を乱射する事件が発生し、12人が死亡、数人が負傷した。
現地からの報道によると、偽の制服で警察官や軍人に扮(ふん)した少なくとも5人の男が、闘鶏場のリングに入り込むと、観客に向けて自動小銃を乱射したという。
現地当局は、これまでに4人の犯人を拘束、対立する麻薬犯罪組織間の抗争が原因とみられている。
近年、エクアドルには国境を隣接するコロンビアやペルーから麻薬密売を行う犯罪組織が入り込み、エクアドルの港湾都市を欧米向け麻薬密輸の拠点としている。
20近い犯罪組織が乱立する中で組織間の抗争も多発、殺人や脅迫などの凶悪犯罪の多発は、今月13日に実施された大統領選挙でも最重要課題に取り上げられた。
再選した親米右派のノボア大統領は、2019年に左派政権下で撤退した米軍基地の再建を治安回復の決め手の一つとみており、トランプ政権もエクアドルに米軍基地を置くことに前向きだという。撤退した米軍は、太平洋岸の麻薬密輸などを監視する業務を行っていた。