【サンパウロ綾村悟】ブラジル中央銀行は9日、ブラジル国民がオンラインカジノに投じる金額が1カ月当たり300億レアル(約7800億円)に相当すると発表した。政府系ブラジル通信が報じた。
調査は今年1~3月にオンラインカジノで利用された金額を追跡したもので、上院委員会の要請を受けて行われた。
オンラインカジノは日本と同様、ブラジルでも数年前から深刻な社会問題となっている。家計や経済構造への影響にとどまらず、テロ組織を含む犯罪組織の資金源や資金洗浄の場となっていることが問題視されている。
ブラジルでは、2019年にスポーツベッティング(賭博)が合法化され、現在は巨大な市場となっている。一方、オンラインカジノの顧客には、国から財政支援を受ける貧困層や若者も多く、カード破産や借金による生活苦、ギャンブル依存症に追い込まれている。
こうした中、ブラジル政府は、国家予算の9%に相当する膨大な資金が流入しているオンラインカジノに対して、業者認可の厳格化や賭け金制限、広告規制などの対策を打ち出している。