再選に向け暗雲

ブラジルの世論調査会社「クエスト」は2日、最新の世論調査結果を公表し、左派ルラ大統領の不支持率が過去最悪の56%となったことを明らかにした。ブラジルのG1メディアなどが報じた。
クエストによると、支持率は1月の47%から41%に低下する一方、不支持率は49%から56%へと大きく上昇した。56%が「政府は間違った方向に進んでいる」と答え、ルラ氏の政権運営に疑問を投げ掛けている。
与党労働党の支持基盤である東北部でも、ルラ氏の支持率が落ちており、食品や燃料費などの高騰が不支持率の上昇に表れている。
また、ルラ氏は女性と貧困層からの支持率が高く、過去の大統領選挙でも多くの支持を得てきたが、今回の調査では初めて女性からの不支持(52%)が支持(46%)を上回った。
キリスト教福音派がボルソナロ前大統領をはじめとする保守派の岩盤支持層になっていることに対し、カトリック教徒はルラ氏を支持する傾向があったが、今回の調査では、カトリックからの支持も49%に低下、初めて過半数を下回った。
ルラ氏は、来年10月の大統領選挙で再選(1期目を合わせると通算4選目)を狙って出馬するとみられているが、現状は保守陣営を相手に厳しい戦いを強いられることが予想される。
【サンパウロ 綾村悟】