【サンパウロ綾村悟】南米ベネズエラ政府は22日、米国の刑務所に収監されているベネズエラ移民に関して、ベネズエラへの送還便を再開することで米国政府と合意したと発表した。トランプ大統領も同日、SNSのトゥルースソーシャルを通じて「ベネズエラ側は米国の刑務所に収監されている全ての不法移民の送還に応じることに合意した」と発表した。

ベネズエラと米国の間では、不法移民の送還に関していったんは合意が交わされていたが、米政府が先月26日にベネズエラで石油採掘事業を行っている米シェブロンの採掘許可を取り消したことにベネズエラ側が反発、マドゥロ大統領が8日に移民送還合意の中止を発表していた。米国への原油輸出は反米左派ベネズエラにとって欠かせない外貨獲得の手段。その後、不法移民の強制送還を重要政策とするトランプ政権は16日、犯罪組織「トレン・デ・アラグア」の構成員ら238人を「敵性外国人法」を利用する形で国外追放し、中米エルサルバドルのメガ刑務所に送還していた。