【サンパウロ綾村悟】ブラジル保健省は7日、同国初のウイルス感染症エムポックス(サル痘)の新種への感染者が確認されたと発表した。発見されたのは、変異型の「クレード1b」で、重症化しやすく致死率が高いとされる。
感染者はサンパウロに住む29歳の女性で、現在の症状は落ち着いている。コンゴ(旧ザイール)から帰国した家族に接触したことが感染の原因とみられている。
ブラジルでは昨年だけで2052人のエムポックス感染が確認されているが、クレード1bへの感染確認は今回が初。
クレード1bは、アフリカのコンゴで2023年に初めて発見されたエムポックスの変異型。世界保健機関(WHO)は昨年8月、コンゴでエムポックスへの感染が拡大していることから「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言していた。
コンゴでは、昨年8月までに1万4000人以上がエムポックス(主にクレード1b)に感染、535人の死者を出している。