【サンパウロ綾村悟】南米チリで25日午後、首都サンチアゴを含む広い地域で大規模停電が発生し、ボリッチ大統領が非常事態と夜間外出禁止令を発表した。現地からの報道によると、停電で国内16の地域のうち14地域、95%の世帯に影響が出たが、26日早朝には9割以上の世帯で電気が復旧した。
チリの人口の約3分の1に当たる842万人が集中する首都サンチアゴでは、停電により地下鉄など公共機関が停止、地下鉄を利用していた人々が避難する事態に。街灯も消える中で多くの人々がバスや徒歩で家路を目指した。
ボリッチ大統領は、治安維持などを目的に災害による非常事態宣言を出すと同時に、25日午後10時から翌日26日午前6時までの夜間外出禁止令を発令した。トア内相は、停電の原因は、送電網の故障によるシステム上の問題だと説明している。
チリは世界最大の銅生産・輸出国。停電により多くの銅山が操業中断などの影響を受けたが、資源大手が所有する銅山では自家発電により操業が続けられたという。
チリでは、2010年にも大規模停電が発生し、全世帯の9割が影響を受けた。この時の停電は、09年2月に発生した大地震による被害を受けた変電設備の故障が原因だった。