トップ国際中南米アルゼンチン WHO脱退 未成年の性別適合手術禁止も

アルゼンチン WHO脱退 未成年の性別適合手術禁止も

【サンパウロ綾村悟】南米アルゼンチンのミレイ大統領は5日、世界保健機関(WHO)からの脱退を表明した。さらに18歳以下の未成年者に対する性別適合手術やホルモン治療を禁止することも発表した。WHO脱退に関しては、米国のトランプ大統領が就任初日の先月20日に脱退を発表、また同28日には19歳未満に対する性別適合のための治療や手術を行うことを制限する大統領令に署名しており、トランプ氏の動きに追随した。

ミレイ大統領(AFP時事)

ミレイ氏は、「アルゼンチンのトランプ」と呼ばれる南米を代表する保守派、ブラジルのルラ大統領を「危険な共産主義者」と呼ぶなど過激な発言でも知られる。

アルゼンチン政府は、声明でWHOに対し「科学的根拠のない隔離措置の実施により、コロナ禍のパンデミックで膨大な被害を被った」「一部の国の影響を受けており(国際機関としての)独立性に問題がある」などと批判した。一部の国は、中国を念頭に置いたものとみられる。

また、同国政府は、「保健管理で国家主権を守ることができるだけでなく、より柔軟な対応を取ることが可能になる」と脱退のメリットを強調している。

アルゼンチンでは、コロナ禍で13万人が死亡した他、多くの企業が倒産するなど経済が低迷、コロナ禍の収束後も記録的なインフレや財政難などの後遺症に苦しんできた。

一方、ミレイ氏は、気候変動対策の国際的な枠組みの「パリ協定」についても、トランプ氏と同様に離脱を検討していると伝えられており、米州の主要2カ国の相次ぐ国際機関からの脱退表明は、国際機関の役割や世界的な協調体制のあり方を問う事態となっている。

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