
【サンパウロ綾村悟】中米エルサルバドルのブケレ大統領は3日、中米・カリブ海5カ国を歴訪中のルビオ米国務長官と会談し、米国の刑務所に収監されている犯罪者を、有償で引き受ける用意があると提案した。

ブケレ氏はX(旧ツイッター)への投稿で、「刑務所システムのアウトソーシング」を提案した、と説明した。米国が国外追放しようとしている犯罪歴のある不法移民を、国籍を問わず収容する意向。また、米市民権を持ち合法的に滞在している犯罪者も受け入れるという。
エルサルバドルは、首都サンサルバドル南東のテコルカに、4万人以上を収容することができる米州最大の巨大刑務所(テロリスト拘禁センター)を有し、1日に開所2年を迎えた。

有償による不法移民や犯罪者の受け入れは、刑務所の維持・管理費用などに利用されるもようだ。
2019年6月に初めて就任したブケレ大統領は、徹底した治安対策を導入し、武装ギャングの横行で中南米最悪とまでいわれた治安を劇的に改善させた。強権的な手法はしばしば批判も集めるが、8割以上の支持率を背景に23年の大統領選挙は圧勝している。