トップ国際中南米ブラジル大統領、米国が関税発動なら報復の構え

ブラジル大統領、米国が関税発動なら報復の構え

【サンパウロ綾村悟】ブラジルのルラ大統領は30日、トランプ米大統領がブラジルに対して関税を課した場合、ブラジル政府が報復関税を米国にかける用意があると示唆した。

トランプ氏は今月20日、米国を再び豊かな国にするために(不公平な関税制度などを通じて)米国に損害を与えている国に関税を課す可能性に言及、その国の一つにブラジルを挙げていた。

ルラ氏は、「米国に対する外交は、お互いを尊重することに基づきたい」とも説明、対話による問題の解決を強調する一方、「米国が関税を課すのであれば、ブラジルも同様に行うだけだ」と主張、2国間の関係は公平であるべきだと訴えた。

現在、ブラジルの最大貿易相手国は中国となっており、米国との貿易は中国の3分の1近く。親中派のルラ氏就任を受けて、中国製電気自動車(EV)などの進出も拡大している。一方、昨年の米国とブラジルの貿易は米国の貿易黒字となっている。

トランプ氏は、不法移民や合成麻薬の密輸問題などをめぐり、関税圧力をかけてメキシコやカナダ、コロンビアなどに対応を求めてきた。

今回のルラ氏の発言は、トランプ氏の関税を使った交渉に対して、事前に牽制(けんせい)を仕掛けたものとみられている。

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