
【サンパウロ綾村悟】南米アルゼンチンのミレイ大統領は22日、南米南部共同市場(メルコスル)と米国の自由貿易協定(FTA)交渉が進まない場合、最悪のケースとしてアルゼンチンがメルコスルから脱退することもあり得ると示唆した。
ミレイ氏の発言は、ブルームバーグ通信とのインタビューに答えたもので、「米国との(アルゼンチンによる)単独交渉開始は、メルコスルのルールの枠内で可能だと思う。脱退は究極の選択を迫られた場合に限る」と述べていた。
南米主要4カ国(ブラジル・アルゼンチン・ウルグアイ・パラグアイ)で構成されるメルコスルは南米最大の関税同盟。近年は欧州連合(EU)との自由貿易協定を締結したが、基本的に交渉は4カ国の同意の下で行われることになっている。
アルゼンチンは、昨年からミレイ政権の下でメルコスルの通商交渉体制の原則となっているコンセンサス(全会一致)方式の見直しを提案している。