【サンパウロ綾村悟】反米左派マドゥロ大統領による強権政治が続く南米ベネズエラで8日、野党指導者のマリア・マチャド氏が治安部隊によって一時拘束されるも、その後解放されるという事態が発生した。ベネズエラでは、10日にマドゥロ大統領の3選目の就任式が行われる。昨年7月の大統領選挙では、事前の世論調査で野党統一候補のゴンサレス氏が圧倒的な支持率で当選確実と言われたが、選管当局がマドゥロ氏の3選を発表していた。マチャド氏は、治安部隊による拘束を恐れてここ数カ月はベネズエラ国内で身を潜めていたが、8日は首都カラカスで行われた反政府デモに参加していた。現地からの報道によると、拘束中に治安部隊から複数の動画の撮影を強いられたという。
ベネズエラ政府は、マチャド氏の拘束を否定した上で、拘束のストーリーはマチャド陣営がつくり上げた偽ニュースだと批判している。中国やロシアがマドゥロ氏の当選を認める一方、米国やアルゼンチン、パラグアイなどがゴンサレスを正式な大統領として公認した他、ブラジルやパナマなどの米州諸国が集票結果の公開を求めている。また、国連も不正行為の有無などに対して調査を行っており、ベネズエラ政府に対して投票用紙などを破棄せず保全するように要求している。