トップ国際中南米運河の管理権交渉を拒否 パナマ大統領 トランプ氏の批判一蹴

運河の管理権交渉を拒否 パナマ大統領 トランプ氏の批判一蹴

【サンパウロ綾村悟】中米パナマのムリノ大統領は26日、パナマ運河の通航料の引き下げや管理権返還などを米国のトランプ次期大統領が求めていることに対して、交渉の余地を否定するとともに同運河の運営に中国が関与しているとのトランプ氏の指摘も一蹴した。

また、ムリノ氏は通航料はどの国の船舶に対しても平等に適用されていると強調、船舶の種類と大きさなどによって決まっているとした。

トランプ氏は22日、アリゾナ州の支援者集会で、米国がパナマ運河の最大の利用国となっていることを強調した上で料金を批判、さらには、(中南米で影響力を強めている)中国が同運河の管理に関わっている可能性への懸念を表明していた。

パナマ運河は、米国によって1914年に建設された後、79年まで米国が運河と周辺の土地を管理していた(99年までは共同管理)。同運河は太平洋と大西洋を結ぶ要衝となっており、パナマ運河の両端には米軍が駐屯していた。77年に当時のカーター米大統領とパナマ政府の間で新パナマ運河条約が締結され、パナマ運河の返還と引き換えに、国際運河として恒久的に中立無差別な通航の保証が確認されていた。

一方、パナマは2017年に台湾との100年以上の外交関係を断ち切って中国と外交関係を樹立、「一つの中国」原則を認めた。

近年、パナマ運河では中国船籍の通航が増加して米国に次ぐ2位となっており、運河の拡張工事や近隣地区の開発に中国企業が関与している。パナマにとって、融資や商品の物流においても世界第2位の経済大国である中国との結び付きは欠かせなくなっている。中国が掲げる「一帯一路」においても、パナマは中南米の要衝の一つだ。

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