【サンパウロ綾村悟】国連人権委員会が4日、今年7月に実施されたベネズエラ大統領選挙を巡る調査を開始すると発表した。同委員会はベネズエラ政府に対し、投票用紙などを破棄せず保全するよう求めた。
調査は、南米の複数の司法関係者から、ベネズエラ大統領選で不正行為が行われていたとする訴えが届けられていることに対応するもの。
ベネズエラ大統領選では、事前の世論調査などで圧倒的な支持を得ていた野党統一候補のゴンサレス氏ではなく、同国選管は反米左派の現職マドゥロ大統領の3選を発表していた。
だが、ベネズエラの野党だけでなく、欧米やブラジルをはじめとする南米各国や国連などが選挙結果に疑義を唱えており、ベネズエラ政府に集計表の公開などを求めていた。選挙から4カ月が経過したが、集計表などの公開は行われていない。
選挙後に野党関係者が全国各地の投票所から独自に入手した集計表に基づく調査では、ゴンサレス氏が67%を得票し、マドゥロ氏の30%を大きく上回っていた。