【サンパウロ綾村悟】南米ベネズエラ政府は27日、米政府が新たなベネズエラ向け制裁リストを発表したことに反発し、「正気の行為とは思えない」などと批判した。
米財務省が同日発表したのは、メネンデス計画相ら政府高官21人に対し、ビザ発給制限などの制裁を科すというもの。今年7月に実施されたベネズエラ大統領選挙で、反大統領派によるデモを不当に抑圧したことに対する措置だ。
選挙では、野党統一候補のゴンザレス氏が投票前の世論調査や出口調査で圧倒的に優勢だったにもかかわらず、政府寄りの選管当局は反米左派マドゥロ大統領の当選を発表していた。
選挙後、結果の見直しやマドゥロ氏の退陣を求める反政府デモが各地で発生したが、政府と治安当局はこれを弾圧。25人の死者を出しただけでなく、2400人以上を「反逆罪」などの容疑で拘束した。今も1000人以上が政治犯として投獄されている。
米国やブラジル、チリなどの中南米各国、国連機関が、詳細な開票結果の報告を求めているが、ベネズエラ政府は提出していない。