【サンパウロ綾村悟】仏小売大手カルフールの最高経営責任者(CEO)が、南米産牛肉の輸入停止を発表した件で、反対にブラジルの食肉加工業者が25日までに、国内のカルフール全店に肉の供給を停止していたことが分かった。ブラジルの各メディアが報じた。
発端は、世界各国に1万2000店舗を展開するカルフールのボンパールCEOが、「衛生面での懸念」などを理由に、仏国内の店舗でブラジル産を含む南米産の牛肉購入を停止するとした発言。同氏の発言は、仏国内の農家など生産業者の保護とみられた。
ボンパール氏の発言にはブラジル政府内からも批判が噴出、ファバロ農業相は「ばかげた発言だ」「ブラジルの店舗も同様にさせてもらう」と、食肉加工業者による自国カルフール加盟店への供給停止を支持した。
カルフールにとって、ブラジルは1200店舗を抱える世界第二の市場。ブラジルメディアによると、事態を重く見たカルフール側は謝罪する意向で、フランス大使館を通じてブラジル政府宛てにボンパール氏からの親書が届いているという。