【サンパウロ綾村悟】南米ウルグアイで24日、中道右派ラカジェポー大統領の任期満了に伴う大統領選挙の決選投票が行われ、即日開票の結果、野党連合から出馬した中道左派のヤマンドゥ・オルシ前カネロネス県知事(57)が勝利した。就任は来年3月で任期は5年。
決選投票は、オルシ氏と与党・国民党の中道右派アルバロ・デルガド前大統領府長官(55)の接戦となったが、開票率90%の時点でオルシ氏が49%の有効票を獲得して勝利が確定した。デルガド氏の得票率は46%だった。
当選したオルシ氏は中道左派ではあるが、公約は市場経済と投資や成長を重視するなど穏健なもの。さらに、格差問題への取り組みを含む福祉を重視する姿勢に加えて、「世界一貧しい大統領」として知られたムヒカ元大統領(89)から選挙支援を受けたことが当選を後押しした。
一方、就任後には対外的な経済政策と治安対策など多くの課題も抱えている。ウルグアイは、中南米の中では、人口約340万人の小国ながらも経済が安定しており、ブラジルやアルゼンチンなどと関税同盟の南米南部共同市場(メルコスル)を構成している。