トップ国際中南米マスク氏に暴言 大統領夫人が物議―ブラジル

マスク氏に暴言 大統領夫人が物議―ブラジル

イーロン・マスク氏=2024年11月13日(UPI)

【サンパウロ綾村悟】G20首脳会議の開幕を控えたブラジルで16日、「ジャンジャ」ことダシルバ大統領夫人による実業家イーロン・マスク氏を批判した発言が物議を醸している。

ジャンジャ氏は同日、G20ソーシャル(G20関連イベント)でスピーチを行った際、「フェイクニュース」問題に言及した。フェイク情報が溢(あふ)れた世界での生きづらさを訴えた上で、マスク氏を指して「私はあなたを恐れない、ファック・ユー(糞(くそ)野郎)」と非常に強い言葉で罵(ののし)った。

ジャンジャ氏の発言がX(旧ツイッター)などで拡散されると、マスク氏は「(ルラ大統領は)次の大統領選挙で落選するだろう」と短く応答した。

これを受け、ルラ大統領が「ファーストレディーは(マスク氏を)罵ったわけではない」と弁明したが、SNSやメディアをはじめ、ブラジル世論が敏感に反応している。

ボルソナロ前大統領(保守派自由党・PL)は、X上でのジャンジャ氏の発言が「外交問題になりかねない」と厳しく批判した。同党所属のサンべリ国会議員も「(大統領夫人として)あまりにも無責任な発言」と追及した。

ジャンジャ氏に関しては、昨年12月に自身のXアカウントがハッキング被害に遭ったが、凍結などの対応が遅れたとしてマスク氏を「金儲(もう)けのための放置」などと批判した経緯がある。

左派ルラ政権とブラジルの司法関係者は、国内のフェイクニュース対策を重視しており、8月にはフェイク対策などを怠ったとして、ブラジル最高裁がXに国内のサービス停止を命じた。その後、マスク氏が問題とされたアカウントの凍結に応じたことから、サービスが再開された。

マスク氏は次期米トランプ政権で「政府効率化省」のトップとして閣僚に指名されている。ジャンジャ氏の今回の発言は、実業家としてのマスク氏と同時に、次期米政権の重要人物に対する暴言となっており、対米外交の先行きを懸念する声も上がっている。

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