【サンパウロ綾村悟】南米エクアドルの最大都市グアヤキルにあるリトラル刑務所で12日、受刑者同士の抗争が発生、少なくとも15人が死亡、14人が負傷した。エクアドル矯正当局(SNAI)によると、抗争はすでに鎮圧された。
司法当局が事件の原因などを捜査しているが、同刑務所では暴動、抗争が相次いでおり、2021年には116人が死亡した。また今年9月には、同刑務所の女性所長が帰宅途中に銃殺された。
エクアドルは、世界最大のコカイン生産国として知られるコロンビアとペルーに国境を接し、近年は欧米やアジア向けの輸出拠点となり、大量のコカインと麻薬密売組織が国境を超え、流入してきた。
港湾都市のグアヤキルは、そうした麻薬の密輸拠点として犯罪組織間の抗争が絶えない。ノボア大統領は「犯罪組織殲滅」を宣言するなど、治安改善を政策の最優先課題に掲げている。