【サンパウロ綾村悟】ドミニカ共和国政府は2日、隣国ハイチからの不法移民対策として、不法滞在の移民を週当たり1万人強制送還すると発表した。
カリブ海のイスパニョーラ島にあり、ハイチと国境を接するドミニカ共和国には、武装ギャングによる暴力と貧困から逃れようとするハイチからの移民が押し寄せており、今回の措置は、ドミニカの安定と治安を守るためにやむを得ない措置だと政府関係者は強調している。
オメロ・フィゲロア大統領報道官は、ハイチ移民の人権と尊厳を尊重する厳格な手続きによって行われることを強調した。
また、ハイチとの国境には、すでに160㌔以上にわたってコンクリート製の壁が建設されているが、今後はドローンなどを利用した監視体制の強化を行うという。
米州最貧国の一つのとして知られるハイチは、治安の悪化や深刻な食料不足に見舞われており、人口の約半分に相当する500万人が慢性的な食料不足に直面している。
現在、ケニアが治安維持部隊をハイチに展開しているが、武装ギャングの横行は続いており、3日にはハイチ北西部のポンソンデで武装ギャングの襲撃により市民ら20人が死亡する事件が発生している。





