【サンパウロ綾村悟】11日に死去したフジモリ元ペルー大統領が14日、首都リマの郊外の墓地に埋葬された。
フジモリ氏のひつぎは、11日から14日まで国立博物館に安置され、多くの市民や支持者らが最後の別れを惜しんだ。ペルー政府は、元国家元首としてフジモリ氏に対する国葬を決定、3日間の服喪を宣言していた。
14日には、ひつぎが国会議事堂に運ばれてボルアルテ大統領主催の式典が行われ、その後、リマ市郊外の墓地に埋葬された。埋葬には、長女ケイコ氏や次男のケンジ氏ら家族が立ち会い、最後の別れを告げた。
フジモリ氏は、南米初の日系大統領として、ハイパーインフレと左翼ゲリラに苦しむ国を立て直したが、晩年は人権侵害の罪を問われて16年近くを刑務所で過ごした。昨年12月に恩赦で釈放された後は、リマ市内にあるケイコ氏の家で家族と最後の時を過ごした。
波乱に満ちた人生を送り、大統領としての功罪は今もペルー国内外で議論の的となっているが、1996年に起きた日本大使公邸人質事件で特殊部隊の突入を決断して多くの人質を救うなど、その強いリーダーシップと共に人々の記憶に残る政治家の一人でもある。