【サンパウロ綾村悟】7月に行われたベネズエラ大統領選挙で、反米左派マドゥロ大統領に対抗して野党連合から出馬した元外交官のゴンサレス氏が7日、スペインへの亡命を求めて出国したことが分かった。ベネズエラのロドリゲス副大統領が発表した。
ゴンサレス氏に対しては、扇動などの容疑で逮捕状が出ており、スペイン大使館に亡命と人身保護を求めていた。スペインとベネズエラ政府の間で調整がつき、ゴンサレス氏の出国が認められた。
大統領選では、ゴンサレス氏が現職のマドゥロ氏に対して世論調査などで圧倒的な支持を得て、勝利は間違いないとされていた。しかし、選管当局は、マドゥロ大統領の3選を発表。米国やブラジル、アルゼンチン、コロンビアなど米州の主要国がベネズエラ政府に詳細な開票結果の公開を求めていた。
また、ベネズエラ国内では、野党指導者マチャド氏が選挙結果の見直しを求めるデモを主導してきたが、政権側は「選挙結果を認めない反国家的行為」などとしてデモを弾圧、これまでに23人が死亡し2500人近くが拘束された。
米国からの制裁など国際社会からの圧力を受けるマドゥロ政権だが、中国やロシアなどの支持を背景に強権体制を敷く。ゴンサレス氏の亡命により、マドゥロ氏の3期目就任に向けて既成事実化が進みそうだ。