【サンパウロ綾村悟】ベネズエラの反米左派マドゥロ大統領は8日、全国向けテレビ演説で、Ⅹ(旧ツイッター)のベネズエラ国内でのアクセスを10日間禁止すると発表した。
直接の原因は、Ⅹのオーナーで世界的起業家のイーロン・マスク氏の言動。マスク氏はしばしば、マドゥロ氏を「独裁者よ恥を知れ」などと厳しく批判しており、先月28日に行われマドゥロ氏が3選を決めた大統領選挙に関しても不正が行われたと主張している。
マドゥロ氏は、マスク氏が「(ベネズエラ国内の)憎悪やファシズム、対立をあおっている」と批判している。
マドゥロ氏はこれまでにも米国発のSNS利用を避けて、ロシアや中国のアプリを利用するように国民に求めてきた経緯がある。
一方、ベネズエラ大統領選に関しては、野党側は独自集計の結果をもとに野党候補のゴンサレス氏が得票率67%で当選したと主張しており、8日には米国の選挙監視団体カーター・センターもゴンサレス氏が当選していたとの調査結果を発表した。
ベネズエラ選管は、マドゥロ氏の当選を裏付ける集計内容などを一切公開しておらず、ブラジルとコロンビア、メキシコの外相が8日、投票集計の公開を求める共同声明を出している。