【サンパウロ綾村悟】南米ベネズエラで3日、先月28日に投開票が行われた大統領選挙の見直しや現職の反米左派マドゥロ大統領の退陣などを求める大規模デモが、首都カラカスをはじめとする国内各地で行われた。
3日のデモは、野党のカリスマ指導者として知られるマリア・コリナ・マチャド氏が呼び掛けたもの。数万人規模の支持者が集まった首都カラカスのデモには、マチャド氏も自ら参加し「私たちはかつてないほど強い」と呼び掛けた。
デモ後、マチャド氏はⅩ(旧ツイッター)に「私たちは投票日から6日間、(マドゥロ政権によって)残忍な迫害を受け続けている。政府は私たちを弾圧で脅し、黙らせられると思っているようだが、国民からの答えを見てほしい」とデモ参加者を鼓舞した。
マドゥロ政権は「反政府デモをあおっている」などとマチャド氏ら野党指導者を批判、拘束の危険もあるとして、マチャド氏やゴンサレス氏は身を隠している。2日には、武装集団がゴンサレス氏の事務所を襲撃、書類などを持ち去っていた。
選管発表によると、野党候補に対して終始劣勢だったマドゥロ氏が過半数を得票して3選を決めた。一方の野党側は、出口調査や独自集計の結果、野党候補ゴンサレス氏が圧勝したと主張している。
政権側はデモに対する弾圧を強めており、治安当局との衝突などでこれまでに20人近くが死亡(国際人権団体発表)、1000人以上が拘束されている。
一方、フランスやドイツなど欧州7カ国首脳は3日、ベネズエラ政府に対して大統領選の集計結果を速やかに公開し、野党指導者の逮捕や弾圧などを行わないよう求める共同声明を発表した。