【サンパウロ綾村悟】ブラジルのマトグロソドスル州政府は11日、世界最大の湿原「パンタナル」で発生している火災の鎮火に成功したと発表した。ブラジル国立宇宙研究所(INPE)は同日、過去24時間で新たな火災が発生していないことも確認したという。パンタナルでは、エルニーニョ現象の影響を受けた昨年末からの熱波と記録的な少雨による乾燥、開発を目的とした野焼きなどにより火災が拡大、今年初めから観測史上最悪とされる76万ヘクタールが火災で焼失した。焼失面積は、東京都の総面積の3倍以上に相当する。
一方、パンタナルはこれから本格的な乾期を迎える。今週初めに降り始めた雨も来週には上がることが予測されており、気温上昇と共に、歴史的な乾燥状態にあるパンタナルで新たな火災が発生し始めることが懸念されている。