【サンパウロ綾村悟】ブラジルの左派ルラ大統領が27日、南米ボリビアで26日に発生したクーデター未遂に関して、「リチウムや天然ガスなどボリビアの豊富な資源を狙った勢力が引き起こした可能性がある」との見方を示していたことが分かった。政府系ブラジル通信が29日付で報じた。
ルラ氏は、「ボリビアは世界最大級のリチウム資源に加えて、天然ガスなどを生産する資源大国だ。クーデターは資源を狙ったものとの見方があることを認めるべきだ」などと主張している。ただし、主張の根拠や証拠などは示していない。
スマホや電気自動車(EV)用のバッテリーなどに不可欠なリチウムは、現代の「白い金」とも呼ばれ、争奪戦が年々激しくなっている。現在、反米左派アルセ政権のボリビアには多くの中国資本が入り込んでいる。
ルラ氏は、7月9日からボリビアを公式訪問し、アルセ大統領と会談する予定。