アルゼンチンとスペイン 首脳同士で非難の応酬 大使召還に発展

【サンパウロ綾村悟】中南米を代表する保守系政治家の一人として知られるようになったアルゼンチンの右派ミレイ大統領と、旧宗主国でもあるスペインの左派サンチェス首相が双方を非難する発言を繰り返している。事態はスペイン政府が駐アルゼンチン大使を召還するにまでに発展した。

ミレイ氏は今月19日、スペインの首都マドリードで開催された極右のボックス(VOX)党の集会に招聘(しょうへい)されたが、そこでサンチェス首相を揶揄(やゆ)して「腐敗に手を染めた妻がいる、5日の間に(辞任するかどうか)考えなければならない」と述べた。同集会には、イタリアのメローニ首相らもビデオメッセージを送っていた。

サンチェス首相は今年4月、夫人が不正行為を行っていたとの指摘を受け、いったん公務を停止した。だが5日後、夫人の関与を否定した上で首相としての続投を発表していた。

ミレイ氏はまた同集会で、「世界のエリートどもは、社会主義の理念を実行に移すことによって、どれほど(社会に)破壊をもたらすのかを分かっていない」と左派を批判していた。

サンチェス氏はミレイ氏のこれらの発言を「侮辱にも程がある」と批判、発言の撤回と謝罪を求めたがミレイ氏は応じなかった。

ミレイ氏の反応を受けスペイン政府は20日までに、駐アルゼンチン大使の召還を決定した。スペイン政府はこの対処を「永久的」(外務省関係者)として態度を硬化させている。

これに対しミレイ氏は、「(大使召還など)ばかげた行為。典型的な傲慢(ごうまん)な社会主義者のやり口」と批判する一方、駐スペイン大使については召還しないと発表した。

トランプ米大統領を信奉することでも知られるミレイ氏は昨年11月、アルゼンチンの大統領選挙で当選したが、当時サンチェス首相は対抗馬の左派候補(与党連合)を支持していた。当選後もミレイ氏を祝福しておらず、両首脳の関係悪化は時間の問題だったとの指摘もある。

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