【サンパウロ綾村悟】ブラジル南部リオグランデドスル州では、先月末から続く大雨がもたらした洪水被害が拡大、死者が85人に上っているほか、行方不明者も130人となっている。
州当局によると、これまでに385の自治体で河川の氾濫による洪水や土砂崩れなどの被害が確認されており、15万人が避難を余儀なくされている。
また、一部のダムで決壊が報告されている他、6カ所のダムで決壊の危険性が指摘されており、近隣住民などに警戒を呼び掛けている。
現在、国軍がヘリコプターなどを用いて救助活動を続けているが、橋や道路が崩壊して孤立されている地域も多く、飲料水や食料、医薬品の確保などが急務となっている。
ルラ大統領は5日、現地を視察した上で避難所の確保やインフラの再建に向けた政府援助の拡大を発表したが、高速道路の復旧だけでも最低10億レアル(約300億円)が必要になると試算されている。
気象当局は、今後も強い雨が続く恐れがあるとして警報を出しており、被害の拡大が懸念されている。