【サンパウロ綾村悟】中米パナマで5日、コルティソ大統領の任期満了に伴う大統領選挙が実施され、即日開票の結果、右派ホセ・ラウル・ムリノ元治安相(64)の当選が決まった。憲法規定により再選はできない。任期は5年。
選管発表(非公式)によると、開票率97・5%の時点で、ムリノ氏の得票率は34・3%、2番手のリカルド・ロンバナ氏に9ポイント以上の差をつけて勝利した。
今回の大統領選挙は、8人が乱立する混戦となった。中道右派野党「目標実現党(RM)」から出馬したマルティネリ元大統領が世論調査でリードしていたが、選挙中にマルティネリ氏がマネーロダリング(資金洗浄)の罪で実刑判決を受け、副大統領候補のムリノ氏が繰り上がって選挙を戦った。
ムリノ氏は、経済対策などで国民からの人気が高かったマルティネリ氏の基盤を引き継ぐ形で就任する。
近年、中南米では「ピンクの潮流」の再来ともいわれる左傾化が続いたが、昨年はエクアドルとアルゼンチンで右派候補が勝利した。