キューバ経済危機 国連に食料援助を要請 ロシアからの支援が停止

【サンパウロ綾村悟】国連世界食糧計画(WFP)は2月29日、カリブ海諸国のキューバが食料援助を緊急要請したことを明らかにした。キューバからの食料援助要請は、1959年のキューバ革命以来初めてのことだという。

社会主義体制が続くキューバでは、食料配給制が採られているが、近年の経済危機による食料不足により、小麦粉や卵などの基本的な食料の配給にも遅れが出ている。

今回、キューバがWFPに要請した主な食料支援は、新生児用の粉ミルク。すでに144㌧の粉ミルクがキューバ向けに用意された。

米国による経済制裁に加えて、新型コロナウイルスの感染拡大による観光収入の落ち込みが外貨獲得に影響を与えていたが、ウクライナ侵攻が経済危機を決定的にした。ロシアからの経済支援がストップしたためだ。キューバは、食料の多くを海外からの輸入に頼っている。

また、キューバでは燃料や医療品不足も深刻になっており、3月1日からはガソリン価格が500%値上げされる。

こうした中、キューバから米国などに脱出する人々も急増している。昨年、人口1126万人のキューバから約30万人が海外に脱出した。南米主要国のブラジルなどもキューバからの難民の受け入れを拡大している。

spot_img
Google Translate »