公文書で「第3の性」禁止 アルゼンチン  過激なジェンダー政策を転換

 

【サンパウロ綾村悟】南米アルゼンチンのマヌエル・アドリヌス大統領付報道官は27日、公文書や行政の現場において、男性でも女性でもない「第3の性(ノンバイナリー)」を表現する単語などの使用を禁止するとの公文を発表した。

「第3の性」とは、自己もしくは社会的な性認識に対して、男性や女性という枠組を当てはめない性別概念のこと。

昨年12月に就任した保守派のハビエル・ミレイ大統領は、左派前政権が進めてきたジェンター政策に反対の立場を表明しており、公立学校における行き過ぎた性教育の是正にも取り組んでいる。

スペイン語を公用語とするアルゼンチンでは、ほとんどの名詞に男性名詞と女性名詞があり、職業や動物なども語尾を変えることで性別を表す。通常、語尾に「o」が付けば男性で、「a」が付けば女性だ。

フェルナンデス前政権は、ジェンダー政策の一貫として、公文書に使用する単語(名詞)に第3の性を表す「X」などの小文字を語尾につけることで、性差のない表現の導入を進めていた。

2021年には、フェルナンデス前大統領が政府発行の身分証明書(DNI)やパスポートの性別欄に男性「M」や女性「F」ではない、第3の性を表す「X」の導入を決めていた。

第3の性の導入に対し、アルゼンチン国内では保守派やキリスト教福音派団体などから「伝統的な価値観を崩壊させるものだ」として反発する声が上がっていた。

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