【サンパウロ綾村悟】反米左派マドゥロ大統領による強権政治が続いている南米ベネズエラで26日、野党統一候補のマリア・コリナ・マチャド氏(56)の大統領選挙への出馬を実質的に禁止する判決が最高裁によって下された。
大統領選は今年後半に行われる予定、マドゥロ氏が3選を目指して出馬するものとみられている。
マチャド氏は、昨年10月の野党勢力による大統領選統一候補を決める予備選で93%の支持を集めて当選していた。ただし、ベネズエラ政府は昨年6月、マチャド氏に対して15年の公職追放処分を科していた。今回の最高裁判決はそれを支持するもの。
野党勢力の大統領候補をめぐっては、前回18年の大統領選においても、マドゥロ政権が主要野党候補の被選挙権を剥奪、反発する野党側が大統領選をボイコットする事態へと発展していた。
一方、米国務省は27日、マチャド氏の出馬に関するベネズエラ最高裁の決定を懸念、経済制裁の緩和を見直すと発表した。
また、コロンビアのドゥケ大統領が27日、中南米の大統領経験者29人によるマチャド氏の大統領候補としての出馬資格の正当性を主張する声明文をⅩ(旧ツイッター)に公開。自由で公正な大統領選挙が行われるよう求めた。